モチベーションに頼らない!「集中力」を高める正しい方法
みなさんこんにちは!あん子です。
もう11月ですね。こちらは先週末にサマータイムも終わって、いよいよ秋も深まってきました。
冬。苦手なんですよねぇ・・・。寒いし、暗いし、気分が落ち込むし。食べるし、太るし、吹き出物出るし。。。
とこんな風に、ついネガティブ思考になってしまうんですよねぇ。誰かとめて~!!
ところで以前、テニスボールを使って集中力を高める方法をご紹介しました。あれからちょっと間が開いてしまいましたが、今日は前回に引き続き
『机に向かってすぐに集中する技術』森健次朗著(フォレスト出版)から、
・集中力を高めるための別の方法や、
・質のいい集中を作るためのコツ、
・集中力を持続させる方法などについてご紹介しようと思います。
ちなみにこの本の著者である森健次朗氏は元々スポーツ用品で有名なミズノの社員だった方で、あのシドニーオリンピックで注目を浴びた「サメ肌水着」の開発者なんですね!
その後会社を辞められたわけですが、社員だった頃にたくさんのトップアスリートと身近に接する機会があり、また退社後に開いた学習塾での経験から、“人が集中するために本当に必要なこととは何か?”を探求し、その経験、知識を基に、現在は全国で集中力を養うための講演やワークショップを行っていらっしゃるそうです。
目次
◎「行動」→「感情」の流れを作る大切さ◎
前回の記事でご紹介したように、集中力を高めるのに必要なのはモチベーションや根性といった感情論、精神論ではありません。
例えば勉強のできる子どもというのは往々にして集中力がありますが、こういった子供たちは「勉強したくない」「遊びたい」などという“感情”を後回しにして、まずはとにかく勉強をするという“行動”を優先させます。
そしてその行動が更なる勉強への意欲、モチベーションを生み出していきます。つまり、「行動」→「感情」という流れを持っているわけです。
逆に勉強が得意でない子供は集中力に欠けることが多く、そういった子供の特徴として、「感情」→「行動」という流れで動いてしまいます。行動を起こす前に「やりたくない」という感情を優先してしまうんですね。
これは大人でも思い当たる事ですよね。目の前のやらなくてはいけない事に対して「めんどくさい」とか「さぼりたい」とか、「こんなのやって意味があるんだろうか」などという感情に左右されると、行動を起こすことすら辞めてしまう事もあります。
◎リラックスこそ集中の理想型◎
ところで「集中力」と聞くと、何となく“思いっきり力を込めた状態”を想像しませんか?
しかし本書の著者は、質のいい集中力を得るには、力を入れすぎず、むしろリラックスした状態を作る事こそ大切といいます。
なぜ集中するのにリラックスすることが大切なのでしょうか。集中とリラックス。いっけん相反する感じがしますよね。
これは、集中する時に緊張して余計な力が入り過ぎると、「絶対にうまくやらなければ」とか「失敗したらどうしよう」などという雑念が湧いてきて、返って仕事や勉強に集中できなくなってしまうからだそうで、
逆に例えばファミコンで遊んでいる時などは、思いっきりリラックスした状態の中でゲームに夢中になってしまい、周りの事が目に入らなくなる(=かなり深く集中できている)事からもわかります。
著者はこれを「振り子の原理」を使って説明しています。
❝振り子というのは、引っ張れば引っ張るほど、振り幅が大きくなります。これと同じことで、緊張して、リラックスの幅が小さければ、集中は自ずと浅くなります。これに対し、リラックスの振り幅が大きければ、それだけ集中の振り幅も大きくなります。つまり、リラックスをすればするほど、集中の深度をより深めることが可能になるのです。このように、集中とリラックスというのは、実は表裏一体の関係にあります。何かに集中したいのであれば、まずはリラックスすることが大切なのです。❞ (『机に向かってすぐに集中する技術』森健次朗著(フォレスト出版)より)
◎質のいい集中力を得るためのリラックス法◎
本の中では質のいい集中力を高めるためにいくつかのリラックス方法が紹介してありますが、ここでは著者がその中でも必須と言っている「姿勢を整えること」、それから「マイナス×マイナス=プラス法」そして「深呼吸/瞑想」をご紹介します。
【正しい姿勢の作り方】
①椅子に浅く座る。
②利き手を頭の上に乗せ、軽く頭を押さえつける。
③あごを引いて、頭に乗せた手の力に反発するように背筋を伸ばす。
④手を下ろし、そのまま両肩をぐっと上げて、2~3秒緊張した状態を保つ。
⑤両肩をすとんと下ろして脱力する。
【マイナス×マイナス=プラス法】
①両肩をぐっと上げて、緊張させる。
②そこからさらに肩を上げて、我慢できないところまで来たら、肩をすとんと下ろして脱力する。
③上記を2~3回行う。
【深呼吸/瞑想】
①両肩をぐっと上げて緊張させた後、すとんと下ろして脱力する。
②膝の上に両手を手のひらが上に向くように置く。
③軽く目を閉じて、5秒間、鼻で大きく息を吸い込む。
④そのまま3秒間、息を止める。
⑤その後口から8秒間かけて息を吐く。
➅「深呼吸」の場合は、この作業を3回ほど繰り返す(この作業を5分~10分続ければ、「瞑想」になる)。
上記のラックス方法を仕事や勉強にかかる前のルーティンに取り入れた上で、前回ご紹介したテニスボール積みや、下でご紹介する集中方法を実践することで、“質のいい集中力”が得られます。
◎テニスボールだけじゃない!「集中力」を高めるための、様々な方法◎
集中力を高めるために必要なのは精神論ではなく、あくまで集中するための作業。その作業の一つとして、前回は視点と意識を一点に集中させる訓練であるテニスボール積みをご紹介しました。
この方法は実際やってみて私自身かなり効果を感じていますが、本書には他にも様々な集中力を高める方法が載っています。その中から3つご紹介します。
【手のホクロやペンを使った集中法】
試験会場や会議など外出先で集中力が必要な時、集中力が切れて気が散ってしまう時などは、手にホクロがあればそれを、なければ手にボールペンなどで小さな点を書いて、それをしばらく見つめます。手軽に集中力を取り戻す方法です。
【音楽を使った集中法】
集中したい時に、あえて音楽(BGM)を流す方法です。
これは人により効果のある場合とない場合があるようですが、音の刺激は集中に必要なリラックス状態を作るのに一定の効果があるのと、人間は周りが騒がしいとその騒音から身を守るために集中力が高まる事があるのだそうです。
この音楽を掛けたら集中モードになれる!という音楽が見つかると、集中しやすいかも知れませんね。
【香りを使った集中法】
この方法はオリンピック級の選手も活用しているのだそうです。
人が何かの香りをかぐと、その香りの成分が、脳内の感情や欲といった本能をつかさどる「大脳辺緑系(だいのうへんりょくけい)」に伝わり、そこで“いい香り”“嫌な香り”などと判断されて、その判断が今度は自律神経や体温、ホルモンを調節する「視床下部(ししょうかぶ)」に伝わります。
この仕組みを利用して香りによって心身をリラックスさせたり集中力を高めたりするわけです。
ちなみに著者がお薦めしている香りはレモンやオレンジなどの柑橘系や、ローズマリーやペパーミントなどのハーブ系で、ちょっと鼻にツーンとくる香りだそうです。
◎せっかく培った「集中力」をどうやって持続させるか◎
これまで質のいい集中力を得るためのリラックス方法、実際に集中力を高める方法と解説してきましたが、せっかく集中できてもすぐに気が散ってしまっては意味がありませんよね。
ここでは、身に付けた集中力を少しでも長続きさせる方法をいくつかご紹介します。
【軽い有酸素運動を行う】
ジョギングやウオーキングなどの、激しく息が上がらない程度の有酸素運動を、20分~30分ほど行います。
これにより酸素が効率的に全身に回るため、脳の働きが活発化して集中力がUPします。また基礎体力も向上して疲れにくくなることも集中力の持続に繋がります。
運動する時間はいつでもいいですが、出来れば朝が最も効率的だということです。
ちなみに行う有酸素運動に関しては、普段運動する機会がない方にはウオーキングかスロージョギングをお勧めします。この二つは定期的に超運動不足におちいる私が実践しているもので、ジョギングに比べてハードルが低く、快適に始められます^^。
※スロージョギングについて詳しくはこちらに書いています。
→『アラフィフ女性の悩みに効果抜群!スロージョギングのススメ』
→『アラフィフ女性のココロとカラダに効く!スロージョギングの始め方』
【立ったまま作業をする】
パソコンや事務仕事など、ふだん椅子に座ってする作業をあえて立ったまま行う方法です。
この方法は「スタンディングデスク」と呼ばれる方法で、実際にアメリカのシリコンバレーなどでも実践する人が増えているそうで、座ったまま長時間作業を行うよりも実は体に負担が掛からないのだそうです。
また座ったまま作業するよりも猫背になりにくく姿勢を正しやすい、立っていることで足の裏を刺激して脳を活性化させることが出来るなどの効果もあり、それらが集中力の維持につながるのだそうです。
【作業を細分化する】
集中して作業を行わなければならない事がある時、ただ漠然と作業を行うよりも、その作業を細分化して、それを一つずつクリアーしていく方が集中力は高まります。
“目の前の小さなやるべき事に集中する”を繰り返すことが、結果的に集中力の持続に繋がるというわけです。
【1回15分の仮眠をとる】
これまで集中力を持続させるいくつかの方法をご紹介しましたが、それでも何時間もの間ずっと集中力を維持し続けるという事は、体力的にもなかなか出来る事ではありません。
特に更年期障害などで体が疲れやすくなっている場合などは、単純に「休む」ということも必要です。
ポイントとしては、浅い睡眠である「レム睡眠」の間に目を覚ますこと。
具体的には15分だけ仮眠をとることです。それ以上寝てしまうと、深い睡眠(「ノンレム睡眠」)に入ってしまうために返って起きるのが辛く、体もだるく疲れてしまいます。
ただ、実際やってみると15分って結構短いんですよね。でもこの方法の良い所は、1日15分ではなく1回につき15分というところ。つまり何回やっても良いんです。
仮眠というと昼食後が定番ですが、それだけでなく「疲れたな」、「集中力が途切れてきたな」と思ったらちょくちょく15分仮眠をとってみましょう。
◎さいごに◎
いかがでしたか?
本書を読むまでは、集中力を持つのに一番大切なことは、やる気やモチベーション、はたまた根性といった“精神的なもの”だと思っていたんですけど、でもそういった感情や精神論に頼る事こそが、結果的に目標そのものを挫折に導いてしまいかねないというわけですね。なるほど。
そして本当の集中力を養うためにはそれなりのコツがあり、そのコツは誰にでも簡単に実践できるものだとすると、これはやってみない手はありません。
ただ、どんな方法でも人それぞれ向き不向きがあるので、いろいろ試してみると面白いかも知れませんね。
最近「集中力が足りないなあ」とか、「集中力がなかなか続かない」と悩んでいる方は是非、こちらでご紹介した方法を実践してみて、ご自分に合った集中法を見つけてみて下さいね!
※今回ご紹介した本の中では、著者の森健次朗氏が開発した付録の“集中カード”を利用した、本格的な集中力を高める方法も紹介されています。こちらもとても効果があり、我が家では子供も時々利用しています。興味のある方はどうぞ↓